天候の変わりやすさを人間の移り気と重ねる感性は、日本独自のものではありません。英語圏や海外の文化圏にも、よく似た比喩表現が数多く存在します。
英語圏で最も近いことわざとしては、以下のような表現が挙げられます。
- A woman's mind and winter wind change often.(女性の心と冬の風はよく変わる)
- A woman is as fickle as the autumn weather.(女性は秋の天気のように気まぐれだ)
- Changeable as the weather.(天気のように変わりやすい)
イギリスをはじめとするヨーロッパでは、秋よりも「冬の風(winter wind)」や「4月の気まぐれな天気(April weather)」に人の心を例えるケースが目立ちます。シェイクスピアの戯曲『ハムレット』に登場する有名な台詞「Frailty, thy name is woman!(弱き者、汝の名は女なり)」のように、変わりやすさや脆さを気象や自然現象に託すレトリックは世界普遍の文学的テーマです。
一方、日本文学の領域において「秋の空」は三秋(秋全体)を表す代表的な季語として古来より重宝されてきました。俳句の世界では、単なる天候の描写にとどまらず、人間の哀愁や澄み切った精神境地を映し出す鏡として詠まれています。
「秋の空」の類語や言い換え表現としては、空の澄み具合を讃える「秋澄む(あきすむ)」「秋高し(あきたかし)」「秋晴(あきばれ)」、どこか寂しさを帯びた「秋気(しゅうき)」など多彩な言葉が存在します。気まぐれな移り気を表す日常語としては「猫の目のような天気」「転変万化」「朝令暮改」といった言葉も近い意味合いを持ちます。