ネット上のQ&AサイトやSNSでは、「Wordのルーラーがずれるのはバグである」「余白設定はすべてページ設定ダイアログで行うべき」といった極端な言説が見受けられます。しかし、これらには構造的な誤解が含まれています。
まず、「ルーラーの目盛りと実際の印刷結果が数ミリずれる」という現象は、Wordのバグではなく選択している既定のプリンタードライバーのハードウェア余白(印刷不可領域)が反映されているために生じる仕様です。プリンターを変更するとルーラー上の可動域が連動して変化するため、文書作成の初期段階で最終出力先のプリンターまたは「Microsoft Print to PDF」を既定に設定しておくことがトラブル回避の鉄則となります。
【プロの結論】ルーラー操作を活用すべき人・スタイル機能へ移行すべき人の条件
ルーラーによる直接操作は直感的で素早い反面、文書の規模によってはメンテナンス性を損なう要因にもなります。ご自身の用途に合わせて適切な手法を選択してください。
ルーラー操作を徹底活用すべき人:
・数ページ以内の企画書、チラシ、案内状、送付状を迅速に作成したい方
・図やテキストボックスと本文の配置関係を目視でミリ単位調整したい方
・表内の特定セル幅やタブ位置を感覚的に微調整したい方
ルーラー直接操作を見送り、段落スタイル機能を使うべき人:
・50ページを超えるマニュアル、長編論文、契約書などの大規模文書を執筆する方
・組織内で複数人が同一ファイルを共同編集・更新する運用を行っている方
(※長文ドキュメントでルーラーから手動インデントを多用すると、全体のスタイル統一が崩壊し修正に膨大な時間を要するためです)