本作が収録された2005年5月11日発売の4thアルバム『RIOT ON THE GRILL』は、ELLEGARDENがインディーズシーンから全国区のモンスターバンドへと駆け上がる過渡期の作品でした。『Fire Cracker』や『Red Hot』といった攻撃的なキラーチューンが並ぶなかで、アルバムを締めくくる曲として配置されたRIOT ON THE GRILL 収録経緯には、壮絶な制作の舞台裏が存在します。
当時の音楽雑誌のインタビューや後の回顧録において、細美武士は当時の精神状態を「曲が作れなくなったら自分には生きている価値がないと思い詰めていた」と赤裸々に振り返っています。連日のスタジオ作業で精神を極限まで削られ、自身の内面から絞り出すように書かれた楽曲群。そのアルバム制作の最終盤、疲れ果てたスタジオでアコースティックギターを手に取り、ポロポロと鳴らしたコードから偶発的に生まれたのが『Make A Wish』でした。
「明日からまた現実が始まるとしても、今この瞬間だけは笑っていてほしい」。誰かに説教をするためでも、世間を啓発するためでもなく、目の前にいる仲間や自分自身の痛みを肯定するために鳴らされたその旋律は、メンバー全員の心を揺さぶり、急遽アルバムのラストトラックへと据えられることになりました。細美武士 Make A Wish 誕生秘話の真相とは、虚飾をすべて剥ぎ取った先にある、人間の純粋な生存本能の叫びだったのです。