ハヴィガーストの発達課題一覧とエリクソンとの違いを完全解説

ハヴィガーストの発達課題一覧とエリクソンとの違いを完全解説

ハヴィガーストの発達課題一覧とエリクソンとの違いを完全解説の注目ポイントを詳しく解説してご紹介します。

発達心理学の講義や各種資格試験で受験者を最も悩ませるのが、ハヴィガーストとエリクソンの理論的差異です。両者はともに「生涯にわたる発達」を肯定的に捉えたパイオニアですが、その思想的背景とアプローチの切り口には明確な違いが存在します。

エリクソンはジークムント・フロイトの精神分析理論を拡張し、人生を8段階に分けた心理社会的発達理論(ライフサイクル論)を提唱しました。エリクソンの枠組みでは、各段階において相反する心理的葛藤(例えば、青年期における「アイデンティティ(自我同一性) vs アイデンティティの拡散」、壮年期における「生殖性(ジェネラティビティ) vs 停滞」)が生じ、その対立を乗り越えることで固有の「徳(Virtue:希望、意志、忠誠、愛、世話など)」を獲得すると説きます。

対するハヴィガーストは教育学者としてのバックグラウンドを持ち、よりプラグマティック(実用主義的)です。内面的な無意識や精神力動の葛藤を掘り下げるのではなく、「社会生活を送る上で達成すべき学習項目・行動目標」を具体的にリストアップしました。教育や支援介入によって「学習・獲得可能である」と考えた点がハヴィガーストの独自性です。

比較項目ロバート・J・ハヴィガーストエリク・H・エリクソン学問的立脚点教育学・発達社会心理学(実証主義)精神分析学・自我心理学(力動論)発達段階の区分数全6段階(乳幼児・児童・青年・成人初期・中年・老年)全8段階(乳児・幼児前期・幼児後期・学童・青年・成人初期・壮年・老年)中核となる概念発達課題(各段階で学習・習得すべき行動規範やスキル)心理社会的危機(対立する2概念の葛藤と徳の獲得)課題未達成の解釈社会的不適応および次段階の課題達成における困難否定的側面(不信・恥・拡散など)の固着と人格形成の歪み臨床・教育での応用カリキュラム作成、看護計画の目標設定、生活リハビリ目標心理カウンセリング、自己同一性の探求支援、精神医学的評価

国家試験問題で「対立概念(vs)」「アイデンティティの拡散」「生殖性(世代継承性)」という言葉が出た場合はエリクソン、「〜の習得」「〜への適応」「市民的責任の受託」という具体的な行動規範が出た場合はハヴィガーストと識別するのが鉄則です。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。