物語の考察が盛り上がる中で、視聴者の間で生じた代表的な誤解やミスリードの真相を紐解きます。
まず最も多くの視聴者が誘導されたのが「長男・希一犯人説」です。物語序盤、希一は自室に引きこもり、粗暴で情緒不安定な青年のように描かれていました。しかし希一の正体は、犯人どころか「弟・真二の犯行を直感し、弟を守るために自ら社会との接触を断った犠牲者」でした。真希子による過度な英才教育のプレッシャーで心を摩耗させていた彼は、火災の真実を察しながらも家族の崩壊を前に沈黙を選び、孤独な引きこもり生活へと逃避していたのです。
また、「真希子は最初から財産目当てで御手洗家を焼き払った完全なモンスター」という認識も、作品が提示した本質とはズレています。取材や関係者のコメントでも語られている通り、真希子の原動力は純粋な悪意ではなく、シングルマザーとして味わった底知れぬ貧困の恐怖と、持てる者への強烈な劣等感でした。手段こそ許されるものではありませんが、彼女の行動の根底には常に「息子たちに不自由のない暮らしを与えたい」という、歪んだ母性が横たわっていた事実は見落とせません。