最も警戒しなければならないのが、自己免疫の異常によって全身の関節が破壊される関節リウマチの初期症状です。教科書的には「左右対称に複数の関節が腫れる」と説明されますが、発症初期の段階では「右手の薬指の第二関節だけが赤く腫れて痛む」という単関節炎の形で発症する例が珍しくありません。
鑑別の最大の鍵となるのが「朝の手のこわばり」です。その理由は、夜間の睡眠中に分泌される抗炎症ホルモン(コルチゾール)が低下することに加え、関節を動かさない時間帯に関節包内へ炎症性の関節液(浸出液)が滞留することにあります。
朝目覚めた際、手がパンパンに張ってグーが握れない状態が30分以上、長ければ1時間以上継続する場合、単なる筋肉の硬直ではなくリウマチ性滑膜炎の可能性が極めて濃厚です。日中、家事や仕事をこなして指を動かしているうちに滑膜液の循環が促され、痛みが軽減するのも典型的なリウマチの挙動です。この「動かすと楽になる」という特徴を「治った」と錯覚して受診を遅らせてしまうケースが後を絶ちません。