寺田心に「お父さんがいない」という事実が日本中に知れ渡った決定的な瞬間は、2015年4月12日に放送されたフジテレビ系情報バラエティ番組『バイキング』のスタジオでした。当時まだ6歳だった寺田心は、スタジオで人気のお茶漬けを試食する食レポコーナーに出演していました。
お茶漬けを美味しそうに頬張る彼に対し、MCを務めていた坂上忍が「お父さんから『これ美味しいから食べろ』とか言われないの?」と、父親との団らんを想起させる軽い冗談まじりの質問を投げかけました。その直後、寺田心は満面の笑みを浮かべたまま、一切の淀みなくこう答えたのです。
「僕、お父さんいないんで。」
スタジオの空気は一瞬にして凍りつき、百戦錬磨の坂上忍も言葉を失って完全に絶句。すぐさま表情を改めた坂上が、寺田心の頭を優しく撫でながらフォローに回るという異例の生放送ハプニングとなりました。この出来事は瞬く間にSNSを通じて拡散され、「あんなに屈託のない笑顔で答える姿が切なすぎる」「坂上忍を黙らせた子供のピュアな告白」として、視聴者に強烈な印象を植え付けることになりました。
注目すべきは、彼自身が父親の不在を決して「悲劇」として語ったのではなく、ごく当たり前の日常の事実として朗らかに口にした点です。当時から培われていた精神的な健やかさと、家庭内で愛情を注がれて育ってきた背景が垣間見えた瞬間でもありました。