出雲大社における音楽演奏の歴史は古く、本来は神楽(かぐら)や雅楽など、神職や巫女による伝統芸能を神様に奉げる神事が出発点でした。日本神話において、芸能の起源は天岩戸の前で踊ったアメノウズメノミコトにあるとされ、音楽や歌は古来、神様を和ませ称える最高峰の儀礼だったのです。
現代のJ-POPやロックアーティストによるライブが実現した最大の契機は、約60年に一度行われる「平成の大遷宮」(本殿遷座祭:2013年)でした。大遷宮を祝ぎ、全国から集う参拝者とともに神への感謝を分かち合うため、特別な「奉納公演」の枠組みが設けられたという経緯があります。
選考基準は公表されていないものの、単なる人気投票や興行的な話題性だけで決定されることはありません。出雲大社や出雲の地にゆかりがあること、言葉と音に真摯に向き合う音楽的誠実さがあること、そして神前での演奏に敬意を払える人格と実力を備えていることが、厳選される必須条件となっています。