急性期のくも膜下出血において、CT画像では脳の溝や脳槽に一致して白く光る領域が確認されます。これはCT画像における高吸収域と呼ばれ、血液中の凝固したヘモグロビンがX線を強く吸収することによって描出される所見です。
問題は、この高吸収域が「時間とともに薄れ、消えていく」という点にあります。
発症から6時間以内のCT感度は98〜100%に達すると報告されていますが、24時間を超えると約90%、3日後には約80%、1週間が経過すると約50%近くまで検出率が急落します。くも膜下腔に溜まった血液は、脳脊髄液の流れによって希釈され、徐々に貪食細胞によって分解・吸収されていきます。その結果、X線の吸収率が周囲の脳組織や髄液と同等になり、画像上「何も写っていない」状態へと変化してしまうのです。
「頭痛を我慢して数日後に受診した」「夜間に発症したが翌日の昼まで様子を見てしまった」という場合、CT検査単体での診断感度が著しく落ちている危険性を念頭に置かなければなりません。