「以前は勢いがあったのに、ここ数ヶ月で徐々に水圧が弱くなり、水の出る方向がバラバラになった」という場合、設備の故障ではなく水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムの結晶化(炭酸カルシウム=カルキ汚れ)が原因です。このミネラル沈殿物はアルカリ性であるため、酸性の力で中和・溶解させるのが最も効率的です。
家庭で安全かつ確実に行えるシャワーヘッド目詰まりクエン酸パックの手順は以下の通りです。
- 洗面器またはバケツに約40℃のぬるま湯を1リットル張り、クエン酸大さじ2〜3杯(約30〜45g)を投入して完全に溶かす。
- シャワーヘッドを取り外し、散水板が完全に浸かるように液中へ沈める。ホースから外れないタイプは、クエン酸液を満たしたビニール袋をヘッドに被せて輪ゴムで固定する。
- そのまま2〜3時間放置する(汚れが酷い場合は一晩置く)。
- 引き上げ後、散水孔の裏表を使い古した歯ブラシや爪楊枝で優しくブラッシングし、軟化した白いカルキ塊を除去する。
- 最後にお湯を全開で1分間通水し、内部に残った剥離汚れとクエン酸成分を完全に洗い流す。
同時に必ず実施してほしいのが、給水栓の結合部に内蔵されているストレーナーフィルター掃除です。混合水栓のクランク内部やシャワーホースの根元、シャワーヘッドの持ち手下部には、配管からの赤サビや砂粒を受け止める金網フィルター(ストレーナー)が装着されています。この金網を取り出し、歯ブラシで蓄積した夾雑物を擦り落とすだけで、詰まっていた流路が一気に開放されます。
もし経年劣化したヘッドを交換する場合は、あらかじめシャワーヘッド交換手順を押さえておきましょう。ホース金具との接続ネジ規格は現在「G1/2」という国際標準規格が主流ですが、築20年以上の物件ではKVK(M22×2)やMYM(W23山14)といった独自規格が残存しています。購入したヘッドに付属している変換アダプターを使用するか、水漏れ防止パッキンを忘れずに挟み込んで手締めするのが水漏れ事故を防ぐプロの作法です。