月末締め翌月末払いは違法?給料日の仕組みと土日祝の振込ルール徹底検証

月末締め翌月末払いは違法?給料日の仕組みと土日祝の振込ルール徹底検証

月末締め翌月末払いは違法?給料日の仕組みと土日祝の振込ルール徹底検証についての疑問解決ガイドをご紹介します。

「働いてから給料日まで2カ月近くも待たせるのは、労働基準法違反ではないのか」という疑問は、労働基準監督署への相談でも頻出するテーマです。法的な観点から検証すると、ここには雇用契約と業務委託契約における厳格な法律の境界線が存在します。

まず労働基準法第24条では、賃金支払いの4原則として以下のルールが定められています。

  • 通貨払いの原則:日本の法定通貨で支払うこと
  • 直接払いの原則:労働者本人に直接支払うこと
  • 全額払いの原則:所定の控除を除き、全額を支払うこと
  • 毎月1回以上・一定期日払いの原則:毎月決まった期日に支払うこと

行政通達(昭和63年3月14日 基発150号など)において、「月の一時期を締め日とし、翌月の一定日を支払日と定めること」は、毎月1回以上一定期日払いの要件を満たしていると認められています。したがって、締め日から支給日までの間隔が1カ月開いていたとしても、月末締め翌月末払いの違法性と労働基準法第24条の観点からは、制度自体に違法性は一切ありません。

ただし、これが「月末締め翌々月払い(支払サイト60日超)」になると話は別です。労働の対価を得るまでの期間があまりに長大になると、労働者の生活困窮を招く恐れがあるため、労基署からの是正勧告や行政指導の対象となります。

一方、雇用ではなくフリーランスや下請事業者とのB2B取引においては、参照すべき法律が労働基準法から下請代金支払遅延等防止法(下請法)へとシフトします。ここで問題となるのが、下請法の支払期日ルールです。下請法第2条の2では、親事業者の支払期日について「物品等を受領した日(役務提供日)から起算して60日以内で、かつ、できる限り短い期間内で定めなければならない」と規定されています。

実務上の落とし穴となるのが、月末締め翌月末払いと支払サイト60日ルールの整合性です。たとえば「4月1日に成果物を納品(受領)し、4月30日に締めて、5月31日に支払う」という運用を行った場合、納品日(4月1日)から支払日(5月31日)までの日数は61日となり、下請法が定める「60日以内」の上限をわずかに超過して下請法違反となるリスクが生じます。企業間取引においては、受領日から機械的に起算して確実に60日以内に収める調整が求められるなど、雇用契約よりも遥かに厳密な運用が課されています。

吉田 誠
著者

吉田 誠

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