Z世代を中心に広がる「平成レトロ」の潮流も、このムードを強力に後押しする。1990年代後半から2000年代初頭にかけて幼少期を過ごした世代にとって、シール帳は甘酸っぱい記憶の象徴。それが今、洗練されたデザインとなって手元に戻ってきた。
同時に見逃せないのが、スマホ依存からの脱却を目指す「デジタルデトックス」の側面だ。通知音に追われ、タイムラインの情報波に揉まれる日常。そこから離れ、ハサミやピンセットを手にシールと向き合う時間は、一種の瞑想に近い。画面から目を切り、指先の感覚に集中する。その静寂こそが、現代人にとって最高の贅沢なのだ。