国民の日常的な語学学習を後押ししているのは、厳格な学校教育ばかりではない。ポップカルチャーやデジタルツールの浸透も無視できない影響を与えている。元男子プロテニス界の至宝ロジャー・フェデラー氏は、母国語のドイツ語だけでなく、流暢な英語やフランス語で記者会見をこなす多言語ヒーローとして知られ、国民にとって憧れのアイコンであり続けている。
さらに近年は、エンターテインメントの楽しみ方自体が変化している。スイスの若者の間では、Netflixなどの動画配信サービスで海外ドラマを吹き替えなしの字幕版で観ることが一般的だ。大ヒットした韓国ドラマ愛の不時着のロケ地(イゼルヴァルト)に世界中から観光客が押し寄せた際も、現地の若者たちは英語でスムーズに対応していた。また、スマートフォンで気軽に学べるDuolingoといったアプリの普及も、スキマ時間を活用した言語習得を加速させている。