卓上に運ばれてきた瞬間、誰もが思わず息を呑む。「フジヤマこぼれ手巻き」と名付けられた名物は、酢飯が見えなくなるほど豪快に海鮮が盛り付けられた、まさに富士の山を彷彿とさせる一品だ。スプーンですくわなければこぼれ落ちてしまうほどの魚卵と鮮魚の山。海苔のパリッとした食感と、濃厚な脂の甘みが舌の上で溶け合う。
このインパクトに目を奪われがちだが、屋台骨を支えているのは王道の寿司たちだ。定番の赤身、中トロ、サーモン、タイ、ホタテから、一手間加えた創作握りまで網羅する圧巻の70種。シャリは程よい温度管理が徹底され、口の中でハラリと解ける絶妙な握り加減を保つ。食べ放題特有の「ご飯ばかりが多くてすぐに満腹になる」というストレスを客に与えない設計。居酒屋使いとしてアルコールを片手に何貫でもつまめる軽やかさこそが、リピーターを離さない理由だ。