「お花坊」という強烈なキャラクターの裏には、志村けんの緻密な計算と演出意図が存在していた。可憐な着物姿に大きなリボンを付けた町娘でありながら、突如として奇天烈な言動に走り、志村演じるキャラクターを徹底的に翻弄する。この計算し尽くされたギャップこそが、爆発的な笑いを生む仕掛けだったのだ。
撮影現場でのいしのようこは、単なる受け手にとどまらなかった。志村の繰り出す鋭いフリに対して、完璧なタイミングで倍返しのリアクションを叩き込む。一見アドリブに見える掛け合いの多くも、事前の入念なリハーサルと、二人の間に築かれた深い信頼関係があったからこそ成立していたのである。