サンパウロやリオデジャネイロといった大都市圏で運転する場合、日本のような感覚でスタンドを利用すると予期せぬトラブルに巻き込まれる恐れがあります。現地の在留邦人コミュニティやSNSに寄せられる声から、リアルな教訓が浮かび上がってきます。
「駐在員の間では、日没後の給油は絶対に避けるのが常識です。強盗は逃げ場が塞がれたスタンド内の車を狙うケースがあるため、明るい大通り沿いで、警備員が常駐しているスタンド以外には寄りません」(サンパウロ在住・製造業駐在員の手記より)
さらに、特有のブラジル運転ルールや交通慣行も絡んできます。夜間の特定時間帯(22時〜翌朝5時頃)において、危険地帯とされる交差点では信号無視ではなく「安全確認の上の赤信号徐行通過」が警察当局によって事実上容認・推奨されているエリアがあります。これは信号待ち中の強盗(Arrastão)を防ぐための過酷な防衛策です。
給油所でも同様の緊張感が求められます。窓を全開にせず、腕が入らない程度(5〜10cm)に隙間を開けてスタッフとやり取りすること、同乗者がいる場合でも貴重品を外から見える座席に放置しないことなど、目に見えない心理的防犯バウンダリーを維持することが自己防衛の絶対条件です。
なお、フロントガラスを拭いてくれたスタッフに対してチップ(gorjeta)を渡すべきか悩む旅行者が多いですが、必須ではありません。手持ちの小銭(2〜5レアル程度)を「Obrigado(ありがとう)」の一言とともに渡すと非常に喜ばれますが、手持ちがなければ笑顔で会釈するだけでも失礼にはあたりません。