久保裕也のキャリアを語る上で最大のハイライトと言えるのが、劇的なポジション遍歴とプレースタイルの再定義です。プロ入り当初の京都サンガF.C.やスイスの名門BSCヤングボーイズ時代は、ペナルティエリア付近で勝負する純粋なセカンドストライカーやウインガーでした。
ところがFCシンシナティでは、チーム事情に応じてセントラルミッドフィルダー(8番)、アンカー(6番)、左右のウイングバック、トップ下、そしてCFと、GKとCBを除くほぼすべてのポジションを歴任。単に「複数のポジションに入れる」だけでなく、どの位置に入っても戦術理解度の高さ、精度の高いパス配給、卓越したポジショニング、そして労を惜しまないプレッシングをハイレベルで完遂します。
前線で起用されれば途中出場からハットトリックを記録する決定力を発揮し、中盤で起用されればボール奪取とビルドアップの起点になるという柔軟性は、MLSの監督陣からも「戦術のマスターキー」と評されています。