経費処理を取り巻く環境において、2026年という時間軸は極めて重要な意味を持ちます。インボイス制度導入から3年が経過し、免税事業者からの仕入に対する経過措置が見直しフェーズを迎えています。消費税仕入税額控除の真相を押さえるには、控除割合の推移を正しく把握しなければなりません。
制度開始から最初の3年間(2023年10月〜2026年9月)は、免税事業者からの仕入れであっても80%の控除が認められていました。しかし、2026年10月からは控除割合が50%へと引き下げられます。登録番号(T番号)のないレシートや領収書を受け取った場合、会社が負担すべき実質的な税コストは一段と跳ね上がります。
そこで問題となるのが、宛名なし領収書の有効性です。前述の通り、適格簡易請求書の交付が認められる指定業種(飲食・物販・旅客運送など)であれば、宛名が空欄でも一切のペナルティなく経費計上および仕入税額控除が可能です。一方、広告宣伝費やコンサルティング費用、卸売取引といったBtoBの専業取引においては、宛名の記載が厳格に求められる「適格請求書」の要件を満たす必要があります。
また、但し書きなしレシートの経理処理に頭を悩ませる実務担当者は少なくありません。しかし結論から言えば、レシートに購入した品名(「コピー用紙」「会議用茶菓子」など)が具体的に印字されている場合、独立した「但し書き」欄は不要です。むしろ、手書き領収書の曖昧な「お品代」よりも、レシートの品名印字の方が国税庁の定める「課税資産の譲渡等の内容」を精密に満たしています。