長年、円満な兄弟として知られてきたふたりだが、その内側には表現者同士ならではの適度な緊張感と、言葉を交わさずとも通じ合う独特の美学が存在する。若手時代には互いの出演作を意識し、無言のライバル心を抱いた時期もあったという。しかし、歳月を重ねるにつれてそれは絶対的な信頼へと昇華していった。
近年のインタビューや関係者の証言によると、ふたりはプライベートで頻繁に連絡を取り合い、互いの健康状態や近況を気遣い合っている。伸也の重厚な語り口と獏の柔らかな人柄は、年輪を重ねてさらに魅力を増した。かつては照れくささから語られることの少なかった兄弟の共演秘話や互いへの感謝の思いも、人生の円熟期を迎えた今だからこそ、偽りのない素直な言葉として明かされている。