ゴールドシップの気まぐれで魅力的な表情を最も近くで見守り続けてきたのが、担当の今浪隆利厩務員と須貝尚介調教師である。ふたりが明かす秘蔵エピソードからは、彼らの絆とゴールドシップの素顔が浮かび上がってくる。
今浪隆利厩務員に対して見せる表情は、他の人間に対するものとは明らかに異なっていた。手入れ中に甘えるように顔をすり寄せてくるかと思えば、イタズラが成功した時には満足げに口元を緩める。今浪氏によれば、「あいつは自分の見せ方を知っていた。機嫌が良い時と悪い時の顔がハッキリしていて、まるで人間と対話しているようだった」という。信頼する人間だけにしか見せない柔らかい瞳の輝きは、多くのファンを温かい気持ちにさせてきた。
また、須貝尚介調教師も彼の尋常ではない頭脳の良さを認めている。指示を理解した上であえて反抗的な顔を作ってみせるなど、精神的な駆け引きを楽しんでいた節すらある。調教場で見せる真剣な顔つきと、厩舎で見せるリラックスした「あくび顔」のコントラストは、チーム須貝の丁寧なケアと深い愛があったからこそ生まれた奇跡のカットなのだ。