1995年、花組トップスターに就任した真矢みきは、ヒット作を連発し劇団黄金期を牽引する。相手役を務めた純名里沙、千ほさちとの絶妙なコンビネーションはもちろん、彼女がステージに立つだけで劇場全体の空気が一変した。ダンディズムとチャーミングな素顔が同居するその演技は、宝塚ファンだけでなく幅広い層の観客を魅了していった。
その伝説の頂点とも言えるのが、1998年の退団時に開催された日本武道館でのソロライブだ。宝塚の現役トップスターが単独で武道館のステージに立つという快挙は史上初。ペンライトの光がうねる満員の会場で、彼女は男役の枠を超えた一人のアーティストとして君臨した。退団公演のサヨナラショーで見せた、涙を封印した潔い笑顔は今もファンの記憶に深く刻まれている。