公務員は憲法上の制約からストライキ権などの労働三権が厳しく制限されています。その代償措置として、給与やボーナスの水準を民間企業と同等に保つ「官民準拠原則」が採用されており、これを公平に判定する第三者機関として設置されているのが人事院です。毎年夏に行われる「人事院勧告」に基づき、国会での法改正を経て支給額が最終決定されます。
一見すると客観的で極めて合理的なプロセスに見えますが、ここに構造的な「罠」が仕掛けられています。人事院が比較対象として調査を行う「民間企業」は、主として従業員50人以上かつ事業所規模が一定以上の企業に限られているのです。日本経済の屋台骨でありながら賃金水準が抑えられがちな小規模事業者や非正規雇用の労働者は、実質的にこの比較対象から除外されています。結果として、労働経済の実態よりも高く見積もられた「上位の民間平均」に準拠することになり、税金を原資とした手厚い手当が維持され続けることになります。