腕を太く見せるための本質は、三頭筋の中でも最大の体積を誇る筋肉の構造を理解することにある。近年の筋肥大・解剖学の知見が明らかにしたのは、肩甲骨に直接付着している上腕三頭筋長頭の特殊性だ。外側頭や内側頭とは異なり、長頭は肩関節と肘関節の2つをまたぐ「二関節筋」という特徴を持っている。
そのため、腕を体幹の側面に置いたポジションでは長頭が十分に引き伸ばされない。腕を頭上に掲げる過伸展位を作って初めて、筋肉は最大のストレッチテンションを受けるのだ。現代の本格的なウエイトトレーニングにおいて、頭上でのエクササイズが必須とされる理由は、まさにこの解剖学的なメカニズムに裏付けられている。