人が失恋したとき、もっとも苦しいのは「自分の感情にぴったりの言葉が見つからない」ことだ。悲しいのか、悔しいのか、それとも感謝しているのか。複雑に絡み合った感情の糸を、西野カナは驚くほど素直で透明感のある言葉で解きほぐしていく。
「大丈夫」と強がりながらも、一人になった瞬間に溢れ出す本音。SNSでいつでも誰かと繋がれる現代だからこそ、誰にも言えない孤独や「本当の気持ち」を代弁してくれる楽曲の価値は高まっている。私たちが『涙色』を聴くとき、そこに投影しているのは単なる過去の恋人ではなく、あの時伝えきれなかった素直な自分の姿なのだ。