ビルマ汁を初めて口にしたグルメファンが共通して漏らすのは、「北海道のスープカレーとも、東南アジアの一般的なエスニック料理とも全く異なる」という驚嘆の声だ。スープカレーが鶏ガラや豚骨をベースに多種多様なホールスパイスを煮込んで作るスパイス主体の料理であるのに対し、ビルマ汁の真骨頂は日本の「出汁文化」の延長線上にある。
鰹節や昆布のイノシン酸とグルタミン酸が織りなす圧倒的な旨味のベースに、熟したトマトの酸味が溶け込む。そこにカレー粉のクミンやターメリック、唐辛子のカプサイシンが心地よい刺激を添える。異国のスパイス感がありながら、どこかホッとする和の安らぎが同居する独特の味わい。まさに日本の食文化が異国の記憶と融合して生まれた、類稀なるスープと言えるだろう。