インターネット上で長年囁かれている噂の原点を遡ると、彼の波乱に満ちた生い立ちに辿り着く。幼少期に両親の離婚を経験し、14歳のときに母親を亡くした彼は、残された弟を育てるために若くして働く道を選んだ。高校進学をあきらめ、弟の学費や生活費を稼ぐために飛び込んだのが、夜の街・新宿二丁目周辺でのバイト生活だったという。
当時はただ、家族を養うための必死の選択に過ぎなかった。しかし、彼が俳優としてブレイクを果たした後、その過酷な下積み時代の経歴が「ゲイバー勤務」というスキャンダラスな文脈に置き換えられ、ゴシップ報道の格好のネタと化してしまったのだ。夜の街で培った対人能力や感受性が、後の演技者としての繊細な表現力へと繋がった事実は無視され、噂だけが独り歩きを始めたのだった。