シリーズ生みの親である堀井雄二が手掛けたシナリオは、単なる勧善懲悪にとどまらない深い余韻を残すことで知られている。「人魚の月」にまつわる物語も例外ではなく、種族を超えた愛とすれ違い、そして時の非情さを描いたエピソードとして高く評価されている。
また、キャラクターデザインを手掛けた鳥山明の生命力あふれる造形が、切ないストーリー展開に温かみと圧倒的な存在感を与えている。哀愁漂う人魚や重厚なNPCたちの姿は、視覚的にも強く記憶に刻まれる。
ドラゴンクエストシリーズの歴史の中でも、本作が提示した「救済の難しさ」や「時の重み」は異彩を放っており、ゲームというメディアが到達した物語描写の極致と言っても過言ではない。