芸術系大学を志す上で、最も現実的な懸念となるのが卒業後の進路です。公式の就職統計や進路追跡調査によると、卒業生は「一般企業への就職」「専門職・教員」「作家・実演家としての自立」という大きく3つのルートに分かれています。
まず、民間企業への就職において抜群の強さを誇るのがデザイン専攻の修了生です。UI/UXデザイナー、グラフィックデザイナー、ゲームクリエイターとして、任天堂、スクウェア・エニックス、カプコンなどの大手エンターテインメント企業や、博報堂グループなどの広告代理店、Web制作会社、出版印刷業界へとコンスタントに人材を輩出しています。沖縄県内においても、琉球銀行や沖縄電力といった大手インフラ・金融機関の広報部門、地元テレビ局・制作会社、デザイン事務所からの引き合いは極めて堅調です。
音楽学部においては、中学校・高等学校の音楽科教員採用試験で全国トップクラスの合格率を叩き出す年があるほか、プロオーケストラ(琉球交響楽団など)の奏者、音楽教室の講師、自衛隊音楽隊などへの道が開かれています。そして琉球芸能専攻の卒業生は、国立劇場おきなわの主催公演に出演する実演家、各流派の師範、重要無形文化財組踊の保持者(伝承者)など、沖縄の文化政策の中核を担うプロフェッショナルとして第一線に立ち続けています。
卒業生には、ヴェネツィア・ビエンナーレなどの国際美術展で活躍する現代美術家や、国内外で評価される漆芸家・染織作家、さらには映画音楽やポップス界で活躍する演奏家・作編曲家など、著名なクリエイターが多数名を連ねています。「食えない」という言説は、主体的にポートフォリオを構築せず、受動的に学生生活を過ごした極一部のケースに過ぎず、明確なキャリアビジョンを持つ学生は極めて高い専門性を武器に社会へ羽ばたいています。