手軽だからといって、スマートフォンのインターネット共有を常時オン(繋ぎっぱなし)にしておく運用には、通信量以外の面でも看過できないリスクが潜んでいます。
最も深刻なのが、端末の発熱とバッテリーの不可逆的な劣化です。テザリング中は、LTE/5Gのモバイル電波を受信しながら同時にWi-Fi電波を発信するため、モデムチップとCPUに極めて高い負荷がかかり続けます。この状態でPCからの給電を同時に行うと、リチウムイオンバッテリーは高温状態に晒され、寿命が急激に縮まる原因となります。
さらに、万が一テザリングの上限を超過してしまった場合の通信制限速度に対するネットの反応は悲惨です。128kbps〜300kbpsまで絞り込まれた状態では、Webサイトの表示に数十秒を要し、チャットツールのテキスト送受信すら遅延します。SNS上では「仕事が完全にストップした」「追加ギガ購入で予期せぬ出費になった」という嘆きが日常的に投稿されており、業務上の致命的なボトルネックになり得ます。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
テザリングは非常に便利な機能ですが、あらゆるユーザーにとって万能のソリューションではありません。自身のワークスタイルと照らし合わせ、以下の基準で運用を見直すことが通信コストとストレスを最小化する鍵となります。
【テザリング運用に向いている人】
・外出先での作業が「メール返信・テキスト作成・軽微なブラウジング」中心の人
・ドコモのeximoや楽天モバイルなど、テザリング無制限の料金プランを契約している人
・従量制課金接続や省データモードの設定を正しく管理・徹底できる人
【専用ルーターや光回線を検討すべき人(慎重になるべき人)】
・毎日のように1時間以上のZoomやTeamsビデオ会議を行うリモートワーカー
・大容量の画像・動画素材やプログラミングのリポジトリを頻繁に同期・送受信する人
・auやソフトバンクのテザリング上限付きプランで月末のギガ枯渇に怯えている人