千葉県公立高校入試の2日目に実施される「学校独自検査」。その大半を占めるのが自己表現(スピーチまたは実技)、そして一部の最難関校が課す思考力検査です。この独自検査の現場について、県内の大手進学塾講師は次のように実情を明かします。
「多くの受験生が5教科の学力検査に追われ、自己表現対策を直前の1〜2週間に後回しにしてしまいます。しかし、面接官となる高校教員は、受験生が事前に丸暗記してきた定型文の発表をすぐに見抜きます。高校側が求めているのは、流暢な原稿の朗読ではなく、『自校の校風を真に理解し、高校3年間で何を成し遂げたいか』という主体性と、想定外の問いかけに対する柔軟な対話力です」
実際、ある県立上位校に合格した生徒の手記には、当時の切迫した心理描写がこう綴られています。
「学力検査の1日目を終えて、自己採点ではボーダーラインギリギリ。絶望感のなか迎えた2日目の自己表現で、準備していた原稿が頭から飛びました。しかし、自分がなぜこの学校のSSH(スーパーサイエンス)で研究をしたいのか、中学時代に挫折した理科の自由研究の悔しさをありのまま自分の言葉で語ったところ、面接官の先生方の眼差しが変わるのを感じました。型通りの優等生スピーチを捨てたことが、最後の数点を引き寄せたと確信しています」(合格者の手記より一部抜粋)
県立千葉や東葛飾で課される「思考力問題」においても、教科書の公式を単純に当てはめる問題は姿を消し、複数のグラフや歴史的史料、対話文を読み取って自らの論理を組み立てる記述問題が主流となっています。これらは一夜漬けのテクニックでは対応できず、日頃から「なぜその現象が起きるのか」を言語化するトレーニングを積んできたかどうかが、合格ライン上での明暗を分ける決定打となっています。