なぜ「新南改札」はこれほど大きな変貌を遂げたのでしょうか。その背景には、長年にわたり埼京線利用者を苦しめてきた歴史的経緯と、渋谷再開発のグランドデザインがあります。
かつての新南改札は、山手線ホームから南へ約350メートルも離れた「孤立した埼京線ホーム」の終端部に位置していました。恵比寿駅寄りのはるか遠くに設置されていたため、乗り換えには「動く歩道」を延々と歩く必要があり、「渋谷の果て」と呼ばれていたのです。
しかし、JR東日本と再開発事業者は、桜丘町地区の巨大複合施設「渋谷サクラステージ(Shibuya Sakura Stage)」の開業および周辺基盤整備の一環として、抜本的な改編を決断しました。2026年7月21日、旧新南改札を閉鎖し、北側へ約200メートル移設した「新・新南改札」をオープンさせたのです。公式発表資料によると、この移転によりサクラステージおよび渋谷ストリームとの空中回遊デッキがシームレスに結合し、桜丘・代官山方面へのアクセス性が飛躍的に向上しました。
現在、渋谷サクラステージへの新南改札ルートは極めて快適です。改札を抜けるとそのまま屋根付きのペデストリアンデッキ(北自由通路)となっており、雨に濡れることなくフラットな足取りでサクラステージのメインエントランスへ直結します。
万が一、1階の渋谷駅南改札を出てしまった場合でも慌てる必要はありません。南改札を出て左手(東口方面)へ進み、渋谷ストリームへ繋がるエスカレーターで2階・3階の歩行者デッキへ上がれば、国道246号線を跨ぐ横断デッキを経由してサクラステージへリカバリーすることができます。ただし、高低差の移動を伴うため、実測で約3〜4分のタイムロスが生じる点には留意が必要です。