論理の骨格が掴めたところで、具体的な数値を用いた補集合の求め方と公式の実践ステップを確認していきましょう。定期テストや資格試験で頻出のモデル問題を題材にした補集合の例題解説を行います。
【実践演習問題】 全体集合 $U = \{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10\}$ とする。
その部分集合として、以下の2つを定義する。
・集合 $A$:10以下の偶数全体の集合
・集合 $B$:10以下の素数全体の集合
このとき、次の集合の要素を書き並べて求めよ。
(1) $\bar{A}$
(2) $A \cap B$
(3) $\overline{A \cup B}$
(4) $\bar{A} \cap B$
思考プロセスと正解の導出
ステップ1:まずは集合AとBの要素を具体的に書き出す
・$A = \{2, 4, 6, 8, 10\}$
・$B = \{2, 3, 5, 7\}$(※1は素数に含まれない点に注意)
(1) $\bar{A}$ の求め方
全体集合 $U$ の要素の中から、集合 $A$ に含まれる要素を取り除きます。
$U$ から $2, 4, 6, 8, 10$ を除外した残りの要素を集めるため、
答:$\bar{A} = \{1, 3, 5, 7, 9\}$(10以下の奇数全体)
(2) $A \cap B$ の求め方
集合 $A$ と集合 $B$ の両方に共通して属している要素を探します。
両方に含まれているのは「2」のみです。
答:$A \cap B = \{2\}$
(3) $\overline{A \cup B}$ の求め方
ここでド・モルガンの法則または直接計算を用います。まずは和集合 $A \cup B$ を作ります。
$A \cup B = \{2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 10\}$
全体集合 $U$ のうち、$A \cup B$ に入っていない「取り残された要素」を特定します。該当するのは「1」と「9」です。
答:$\overline{A \cup B} = \{1, 9\}$
※ド・モルガンの法則より、$\bar{A} \cap \bar{B}$(奇数かつ素数でない数)を求めても全く同じ $\{1, 9\}$ が得られます。
(4) $\bar{A} \cap B$ の求め方
(1)で求めた $\bar{A} = \{1, 3, 5, 7, 9\}$ と、$B = \{2, 3, 5, 7\}$ の共通部分を抽出します。
双方に含まれる数字は $3, 5, 7$ です。
答:$\bar{A} \cap B = \{3, 5, 7\}$(ベン図で見ると「円Bの領域から円Aとの重なりを引いた三日月部分」に一致します)
このように、要素の個数が限られている場合は、要素を書き並べる外延的記法を用いて「枠組みからの引き算」を実行するのが最も確実な解法ステップです。