高校卒業後、川西拓実はすぐに芸能界を目指したわけではありません。一度は地元企業に就職し、製造現場を支えるエンジニア(技術職)として働いていました。機械の点検や設計保守など、緻密な計算と正確さが求められる職場環境に身を置き、堅実な社会人生活を送っていたのです。
しかし、「幼い頃から抱いていた音楽とステージへの憧れを捨てきれない」という強い思いが、彼の人生を大きく動かします。周囲の安定志向や引き止めの声があるなか、自らの退路を断つために会社を退職。2019年に開催されたサバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN(日プ)』へとエントリーしました。
歌もダンスも完全に未経験という圧倒的ハンディキャップを背負いながらも、川西拓実は番組開始当初から別格の存在感を放ちます。第1回順位発表から常に最上位争いに食い込み、テーマ曲『ツカメ 〜It's Coming〜』のセンター候補にも選出。審査員を務めたプロのダンサー陣からも「未経験であることが信じられない表情管理とリズム感」と絶賛され、最終順位第3位という堂々たる結果でJO1のメンバー入りを掴み取りました。安定したエンジニアの道を潔く捨て、夢に向かって全てを賭けた覚悟が、国民的プロデューサーの心を揺さぶった瞬間でした。