趣里の存在が世間に決定的な衝撃を与えたのは、2011年のドラマ『3年B組金八先生ファイナル』での女優デビューから10年以上が経過した後のことです。2018年の主演映画『生きてるだけで、愛。』で過眠症とうつを抱えるヒロインを全身全霊で演じ、第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。映画ファンや劇評家の間では早くから「怪演女優」として高く評価されていましたが、その名を国民的なものにしたのが2023年度後期のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』でした。
朝ドラのヒロイン選考において、趣里は応募者総数2,471人に及ぶ過酷なオーディションを勝ち抜いています。戦後の大スター・笠置シヅ子をモデルにした「福来スズ子」役を演じるにあたり、英国仕込みのバレエで培った体幹と、泥臭い大阪の歌劇団員としてのバイタリティを見事に体現。「東京ブギウギ」をはじめとする圧巻のステージシーンでは、吹き替えなしの歌声とダンスを披露し、視聴者を釘付けにしました。
さらに2024年秋には、フジテレビ系列の月10ドラマ『モンスター』でゴールデン帯連続ドラマの単独主演を飾ります。型破りで感情を読ませない弁護士・神来社未幸役を冷徹かつ軽妙に演じ、朝ドラの天真爛漫なイメージから鮮やかに脱皮。業界内でも「どんな役柄にも自らを染め上げられる唯一無二のバイプレイヤー兼主役」としての評価を盤石なものにしました。