五輪クライミング複合の新ルール解説!最新採点方式と勝敗の真相

五輪クライミング複合の新ルール解説!最新採点方式と勝敗の真相

今注目を集めている 五輪クライミング複合の新ルール解説!最新採点方式と勝敗の真相について、詳しいまとめを分かりやすく掲載しています。

大舞台の熱戦の裏で、SNSやファンコミュニティを中心に大きな議論を巻き起こしたのが「ルートセッティングにおける体格差の公平性」でした。特に女子決勝ボルダー第1課題において、身長154cmの森秋彩選手がスタートホールドに手が届かず、ジャンプしても初手を保持できないまま制限時間を終えたシーンは、「小柄な選手への配慮が欠けているのではないか」とネット上で物議を醸しました。

しかし、ルートセッター(課題設定者)側の視点と国際基準を検証すると、事態はより複雑な構造を抱えています。IFSCの公認ルートセッターは、男女それぞれの平均身長やリーチを綿密に計算し、特定の体格だけが有利にならないよう「バランシーな課題」「ダイナミックな跳躍課題」「柔軟性を要する課題」などを組み合わせて4課題を構成します。大柄な選手はリーチで有利な反面、身体の重心が壁から離れやすく、狭いスペースでの身のこなし(パワーウェイトレシオ)では小柄な選手が圧倒的に有利となります。

現場取材においてある国際審判員は次のように明かしています。「セッター陣は特定の選手を排除する意図は毛頭ないが、現代のボルダー課題は観客を魅了するダイナミックな『魅せるムーブ』を重視する傾向が強まっている。その結果、初手の距離感などで極端な体格依存が生じてしまうリスクは、今後のセッティングガイドラインで見直すべき課題として残されている」。単なる「不公平」という批判で片付けるのではなく、エンターテインメント性と競技性のバランスというクライミング特有の構造的ジレンマが横たわっているのが真相です。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。