奈良市の近鉄大和西大寺駅前。2022年7月8日午前11時30分過ぎ、穏やかな演説の風景が一瞬にして惨劇の舞台へと変わった。警護の隙を突いて接近した山上徹也被疑者が手にしていたのは、既製品の小銃ではなく、自ら自宅のアパートで組み上げた異様な兵器だった。
警護体制の失態に批判が集中する中、奈良県警察による初期捜査は、物理的な証拠収集と同時に、ネット上に溢れかえる膨大な市民撮影動画の保全という新たな試練に直面した。警察の公式発表が慎重に行われる一方で、SNS上では捜査の先回りをするかのように断片的な画像が解釈され、混乱に拍車をかけた。