春先から初夏にかけて皮膚トラブルが急激に悪化する背景には、PM2.5単独の毒性だけでなく、スギ・ヒノキ花粉や飛来する黄砂との「複合汚染」が存在します。医学界や環境衛生学の現場では、この現象を物質が抗原の働きを強めるアジュバント効果と呼んでいます。
大気中を漂う花粉粒子は乾燥や汚染物質との接触によって破壊され、微小な花粉アレルゲンへと破砕されます。そこに硫酸塩やPAHsをまとったPM2.5が付着すると、皮膚の免疫システムが異常興奮を起こし、通常の花粉症では目や鼻に限定されていたアレルギー症状が、顔面や首周りの激しい皮膚炎へと波及します。
さらに大陸の乾燥地帯から飛来する黄砂(鉱物粒子)は、アルカリ性の性質を持ち、移動過程でPM2.5を表面に吸着させて日本列島へ到達します。黄砂の物理的摩擦による角質層への微小な傷と、PM2.5の化学的毒性が同時に皮膚を襲うことで、難治性の黄砂・PM2.5皮膚炎へと発展し、症状が長期化するケースが多発しています。