報道や日常会話で多用される「過激派」という言葉ですが、警察白書や公安調査庁の公的文書では主に「極左暴力集団」と定義されています。過激派の意味を突き詰めると、マルクス・レーニン主義や共産主義革命の思想を掲げ、現行の議会制民主主義や資本主義社会を「武力や暴力的手段によって転覆・変革すること」を肯定するセクト(政治党派)を指します。
ここで多くの人が疑問を抱くのが、社会運動における「過激派と穏健派の違い」です。両者の分岐点は、主張する政策の是非ではなく「目的達成のために法秩序と人権規範を踏み越えるか否か」にあります。
穏健派と呼ばれる市民団体や政党は、現行憲法の枠組みの中で言論の自由や平和的なデモ、選挙を通じた合法的プロセスによって社会変革を試みます。対して過激派は、「国家権力そのものが暴力装置であるため、これに対抗する暴力は正当な自衛手段である」という独自の論理を構築します。この飛躍した論理こそが、建造物侵入、暴力行為、さらには爆破テロや暗殺といった非人道的手段を「革命的正義」として自己正当化する構造を生み出しています。
なお、海外のイスラム過激派(ISやアルカイダなど)は宗教的原理主義に基づく神政政治の樹立を目指し、日本の極左過激派は無神論的な階級闘争を基盤としています。掲げる教義は対極に位置するものの、「敵対者を悪とみなし暴力でせん滅する」「教条のために個人の生命を犠牲にする」という心理的メカニズムは不気味なほど一致しています。