二子玉川ライズ・ショッピングセンターの「タウンフロント」6階に位置していたヴィレッジヴァンガード二子玉川ライズ店は、開業初期のサブカルチャー発信拠点として親しまれていました。しかし、同店は定期建物賃貸借契約の満了を契機に惜しまれつつ営業を終了しました。
商業関係者の証言および東急電鉄・二子玉川ライズの公式発表資料を精査すると、閉店の背景には「施設全体のMD(マーチャンダイジング=商品・テナント構成)戦略の転換」が存在します。開業から一定年数が経過した二子玉川ライズでは、ターゲット層を「広域からのカルチャー探索層」から「駅周辺に居住する高感度ファミリー・タワマン居住層」へと明確に絞り込むリニューアルが断行されました。
当時、運営元のヴィレッジヴァンガードコーポレーション側も、全国のショッピングセンター(SC)内店舗における不採算店舗の整理と、売場面積あたりの収益性(坪効率)を抜本的に見直す構造改革を進めていました。高い共益費・賃料水準が求められる二子玉川のプライム立地において、同社のアイデンティティである「混沌とした長居型の売り場」を維持することは、契約更新時の経営判断として極めてシビアな決断を迫られた結果といえます。