作品の中核をなすのは、日本人の無意識に深く根を下ろす地蔵菩薩の存在だ。一般的な慈悲の象徴としての地蔵像ではなく、集落の境界を守り、時に異界との境目を監視する「賽の河原の守護者」としての凄惨な側面がクローズアップされている。
物語は、過疎化が進む河川沿いの集落で次々と発生する怪奇現象を軸に展開する。血脈に縛られた旧家の秘密と古代の地蔵信仰が絡み合い、息をのむようなダークファンタジーの領域へと観客を引きずり込む。日常のすぐ裏側に潜む怪異の描き方は、従来のホラー映画の枠組みを根底から打ち破る力強さに満ちている。