当時の状況を振り返る上で欠かせないのが、トリオの置かれていた立場だ。飯塚悟志、角田晃広、豊本明長からなる東京03は、直前に行われた第2回『キングオブコント』で見事優勝を果たし、一躍脚光を浴びたばかりだった。
プロダクション人力舎に所属し、ライブシーンで実力を磨き上げてきた彼らにとって、地上波ゴールデン特番のひな壇は慣れない空間。コントの舞台では誰もが認める実力派でありながら、テレビ業界独特の暗黙の了解や、巨大特番における大御所への楽屋挨拶という作法にまだ不慣れだった。絶頂期の直後に訪れたこの出来事は、若手芸人にとってあまりに過酷な芸能界の洗礼となった。