「味のイサム」を語る上で欠かせないのが、中京テレビ制作『オモウマい店』の名物ディレクターである片岡D(片岡蓮ディレクター)の存在です。取材初日に店へ足を踏み入れた片岡Dは、仕込みや接客に追われる店主夫妻を見かねて自ら厨房に入り、皿洗いや料理の配膳、さらには「豚から」の衣付けまで手伝い始めました。
番組内では「取材に来たはずのディレクターが、気づけばアルバイトとして店を回している」というシュールで心温まる姿が話題を呼び、片岡Dは店の常連客や視聴者から「イサムの息子」「チーフ」と親しまれるようになります。この関係は単なるテレビの演出や企画にとどまりませんでした。
2026年の店舗火災の際、片岡Dはプライベートの休暇を使って真っ先に羽生へ駆けつけ、煤(すす)だらけになった厨房の清掃や片付けを率先して行いました。店主夫妻が精神的なショックで打ちひしがれる中、「絶対にまたここで店をやりましょう」と励まし続けた姿は、ドキュメンタリー特番でも放送され、日本中に大きな感動を与えました。取材者と被取材者というビジネスライクな境界線を超え、損得勘定のない深い信頼関係で結ばれた本物の人間ドラマがここにあります。