歴史的な判例を見ても、有給休暇の自由利用原則は揺るぎない。古くから知られる白石営林署事件などの最高裁判決において、有給休暇の利用目的は労働者の自由であり、会社がその使途に関与することは許されないという判断が確立されている。
会社が定める就業規則に「事由を詳細に記載すること」といった条文が存在する場合でも、労働契約法や上位法規である労働基準法の趣旨を超える拘束力は持たない。理由の開示を強要したり、理由の内容によって取得を差別したりする行為は、パワーハラスメントやプライバシー侵害と評価されるリスクを企業側に背負わせる。日本労働組合総連合会(連合)による意識調査でも、休暇理由の詮索が職場のエンゲージメントを著しく損なう要因として指摘され続けている。