都内の高級スーパーや話題のポップアップストアを覗いてみると、ある異変に気づく。洗練されたモダンなパッケージに混じって、どこか懐かしい筆タッチやクレヨン調のイラストをあしらった商品が、棚の一等地を占拠しているのだ。
「綺麗すぎるデザインは、かえって棚の中で埋もれてしまうんです」。そう語るのは、大手菓子メーカーでパッケージデザインを手がけるクリエイティブディレクターの佐藤氏だ。極限まで洗練された現代の棚にあって、歪んだ丸みやほくほくした黄色と深紫のコントラストは、通行人の視線を強烈に引きつける。理屈ではなく直感で『おいしそう』『あたたかい』と感じさせる力が、あの独特のフォルムには宿っている。