雛人形を出すタイミングにも、伝統的な吉日と避けるべき禁忌が存在します。お雛様飾る時期として最も適しているとされるのは、節分で厄を払った翌日の「立春(2月4日頃)」から、雪が雨に変わり春の息吹が芽生える「雨水(うすい・2月19日頃)」にかけてです。遅くとも節句の1週間〜10日前には飾り付けを終えるのが理想的とされています。
絶対に避けたいのが、雛祭りの前日である3月2日に慌てて飾る「一夜飾り(いちやがざり)」です。一夜飾りは葬儀の準備を連想させ、神仏を迎えるにあたって誠意を欠く縁起の悪い行為とされているため、余裕を持ったスケジュールを組むことが求められます。
また、飾り付けの際に多くの家庭が迷うのがお雛様並べ方左右の位置関係です。実は、関東と関西(京都を中心とする地域)で男雛(お殿様)と女雛(お姫様)の並べ順が正反対になります。
- 関東飾り(現代の主流・全国基準):向かって「左に男雛、右に女雛」を配置。大正天皇が即位礼の際、西洋式マナーに倣って皇后陛下の右側(向かって左)にお立ちになったことから、昭和以降の東京の組合を中心に全国へ広まりました。
- 京飾り(関西・京都の伝統様式):向かって「右に男雛、左に女雛」を配置。古代中国の陰陽五行思想に基づく「左上座(日の出る東=左を尊ぶ)」の宮廷儀礼を今なお継承しています。
どちらが正解・不正解というものではなく、購入した工房の様式や各地域の文化に準じて配置すれば何ら問題はありません。