明洞餃子は、『ミシュランガイド・ソウル』が創刊された2017年版から現在に至るまで、安くてコストパフォーマンスに優れた名店を認定する「ビブグルマン」の常連として掲載され続けています。しかし、この栄誉ある評価が一部の旅行者に「高級感のある落ち着いたレストラン」という誤った先入観を与えている側面は否定できません。
ネット上の口コミで時折見受けられる「店員の対応が素っ気ない」「急かされているように感じる」という不満は、この認識のズレから生じています。明洞餃子は本質的に、凄まじい客数を秒単位で捌く「大衆食堂の究極形」です。皿が空けば即座に下げられ、追加注文がなければ長居は無用という空気感は、韓国の伝統的な繁盛店における機能美そのものであり、ホスピタリティ重視のフルサービス店とは評価のベクトルが異なります。
また、「カルグクスは韓国風の優しい出汁うどん」という思い込みも危険です。明洞餃子のスープは一般的なアサリ出汁(パジラッカルグクス)とは異なり、しっかりとした塩分と濃厚な脂の旨味、さらに挽き肉のロースト香が前面に出たパンチのある設計です。あっさりした和風の味付けを想起して口にすると、その濃厚さとキムチの刺激に圧倒されることになります。