最低賃金法第4条は、使用者に対し、最低賃金額以上の賃金を支払う義務を課しています。違反した場合、同法第40条により50万円以下の罰金が科される可能性があり、是正勧告や行政指導の対象にもなります。さらに、2026年現在では賃金不払いや最低賃金未満の労働条件がSNSで拡散されると、企業名が特定されて大規模な炎上に発展するリスクが極めて高くなっています。
実際に過去数年、都内の飲食チェーンや小売業で「求人票には時給1,200円と記載されていたのに、実際の契約書は1,000円だった」「残業代や深夜手当が最低賃金の計算から除外されていた」といった投稿が拡散され、運営会社が謝罪に追い込まれる事例が発生しています。報道各社・関係者の取材によると、こうしたケースの多くは「支払い能力がない」のではなく「労務管理の知識不足」によるものであり、未払い額は数十円単位でも、社会的信用の失墜という代償は計り知れません。
労働者側が確認すべきは、給与明細の「基本給」だけではありません。最低賃金の計算に含まれない手当(通勤手当、家族手当、精皆勤手当、住宅手当など)を誤って含めて計算している事業者も存在します。正しくは、最低賃金の対象となる賃金と除外される手当を区別し、時間給に換算して比較する必要があります。