工藤壮人選手の訃報に関して、当時所属していたJ3・テゲバジャーロ宮崎の公式発表資料および報道各社の取材データにより、発症から逝去までの緊迫した時系列が明らかになっています。日常のトレーニングを行っていた最中の、あまりにも急激な異変でした。
発端となったのは2026年10月2日、練習前のミーティング時に本人が強い頭痛などの体調不良を訴えたことでした。翌10月3日に宮崎県内の医療機関を受診したところ、脳室内に過剰な髄液が溜まり脳を圧迫する「水頭症(すいとうしょう)」との診断を受け、そのまま緊急入院となりました。
その後、10月11日に脳圧を下げるための手術を受け、一時は容態の安定が期待されたものの、10月17日夜に容態が急変。集中治療室(ICU)で懸命な集中治療が行われましたが、2026年10月21日14時13分、家族や関係者の祈りも届かず、32歳の若さで息を引き取りました。最初の違和感からわずか19日後のことでした。
成人における水頭症は、くも膜下出血や脳腫瘍、頭部外傷などの後天的な原因によって生じる続発性水頭症と、明らかな原因が特定できない特発性正常圧水頭症などに分類されます。脳内の髄液循環が急激に阻害されると脳圧が急上昇し、脳幹などの生命維持中枢に重大な障害を及ぼす極めて危険な状態に陥ります。屈強なプロアスリートであっても抗うことのできない、極めて過酷な病魔の急襲であったことが医学的見地からも示されています。