メンタルの不調に関して、世間にはいまだに根強い誤解や偏見が存在します。その代表例が「1日ゆっくり寝れば治る」「気晴らしに旅行へ行けば元気になる」という発想です。しかし、消耗しきった心身に対する安易なアクティビティは、かえって状態を悪化させることがあります。
脳の神経伝達物質(セロトニンやノルアドレナリン)が枯渇している状態での旅行や外出は、刺激過多となり、さらなる精神的エネルギーの浪費につながります。真に必要な精神的疲労 回復方法とは、「何もしないことを自分に許可する」受動的休息と、専門治療による神経回路の回復です。
また、「頑張れないのは自分の根性が足りないからだ」という内向的な自責も完全な誤解です。医学的に見れば、意欲や集中力の低下は「脳の炎症反応・神経伝達機能の一時的機能不全」であり、性格や根性とは一切関係がありません。骨折した足で走れないのと全く同じ原理です。骨折した人に「気合いで走れ」と言わないのと同様に、疲弊した脳に「頑張れ」と鞭打つことは、治癒を遅らせる自傷行為に等しいのです。