門倉利運を語る上で欠かせないのが、自他共に認める「究極の凶運体質」です。くじを引けば必ず外れを引き、二者択一を迫られれば必ず最悪の選択肢を選んでしまうという絶望的な運の悪さは、作中で何度もギャグとして描かれました。しかし、この凶運こそが、結果として幾重にも積み重なった死亡フラグを叩き折る防壁となりました。
確率論的に最悪の事態が起きるということは、敵の裏をかくことと同義になります。五稜郭の攻防戦をはじめとする修羅場において、門倉の突飛な行動や予期せぬトラブルは、敵の精密な作戦を撹乱し、味方の危機を救う奇策へと反転しました。まさに「凶運が極まりすぎて強運に転化する」という特異な生存ロジックが成立していたのです。
特に読者の胸を熱くさせた名シーンが、危険を顧みず仲間を助けるために引き金を引いた瞬間や、普段の情けない態度からは想像もつかない覚悟を見せる局面です。「自分は運がない」と自嘲しながらも、守るべき一線を絶対に譲らないその生き様は、作中における数多くの名言とともに高い評価を得ています。